こんにちは。奥出雲そば処一福の笠岡です。
そば打ちの工程で最も重要と言われる、「水回し」。
そばを打てない私は「え、細く麺線を切り揃える「切り」が一番難しくて重要なのでは?」と思ってました。
商品の適切な説明のために、一福が自家製粉している「石臼挽そば粉」の適切な加水量を検証してみることにしました。
一福の石臼製粉は玄そばを殻ごと挽き込みます。殻の部分も入ることから、繋がりにくく、水回しの工程は特に難しいと言われています。ですが、この殻の部分が甘味を持ち、蕎麦の旨味につながります。蕎麦独特の風味の良さは抜群です。
一般的な加水量は粉の総量の約45~50%と言われていますが、粉そのものの水分量やその日の気温、湿度も大きく影響します。
職人さんは水回しの工程の中で指先で感じ取り、適切な量を見極め、微妙な加水をしながら捏ねに入っていきます。
↓つなぎ無しの十割で検証。「石臼挽」の場合、第一加水は50%。一般的な目安量より多めに投入します。
↓粉に水をまんべんなくふくませていきます。今回は、微加水は無しで打ってみます。
↓「繋がりにくい」状態の延しの工程の様子。微加水無しのため水分不足が原因です。
↓このような太い麺になりました。茹で上がりは少し硬かったですが、風味はとてもよかったです。
↓本来はこのように微加水します。本当に少しずつ。微妙な水加減を指先で感じながら手早くまとめていきます。
「水回しが最も重要で難しい」と言われるのが分かる気がしました。
そばを打てば打つほど難しさが分かる工程が「水回し」なのだと思いました。
あまりの奥深さにどうお客様に伝えたら良いかますますこんがらがってしまった私ですが、この魅力を是非伝えていきたい、と強く思えた一日でした(^^)